公判手続
「公判」は、①冒頭手続、②証拠調べ、③弁論の３段階を経て④判決がまされます。事件が複雑であったり、事実を争う場合などは、公判が複数回行われることになります。
１．冒頭手続
冒頭手続とは、「その手続が誰のどの犯罪について行われるか」ということを明らかにする手続で、以下の流れで行われます。
- 裁判官が、被告人に対し、住所・氏名・職業等を質問し、人違いでないか確認する（＝人定質問）。
- 検察官が起訴状を読み上げる（＝起訴状朗読）。
- 裁判官が、被告人に対し、黙秘権を説明する（＝黙秘権等の告知）。
- 裁判官が、被告人に対し、事件について被告人の意見を聞く。
- 裁判官が、弁護人に対し、事件について弁護人の意見を聞く。
２．証拠調べ
証拠調べとは、起訴状に書かれた事実についての証拠や被告人に有利な証拠を裁判官に調べてもらう手続です。証拠には、書面や物だけでなく、証人も含まれ、それぞれにかなった方法で証拠調べが行われます。
被告人は厳密に言えば証拠ではないのですが、証拠調べの最後に質問を受けることになります。被告人が質問を受けるのは、弁護人→検察官→裁判官の順序です。
証拠調べの流れは以下のとおりです。
- 検察官が、被告人の経歴・事件の態様等について説明する（＝冒頭陳述）。
- 検察官が検察側の証拠を申請し、取り調べる。
- 弁護人が被告側の証拠を申請し、取り調べる。
- 被告人質問が行われる。
３．論告・求刑、弁論
論告・求刑、弁論とは、検察官・弁護人がそれぞれ裁判官に対し、判決を決めるのにあたって考えてほしいこと述べる手続です。また、被告人も最後に裁判官に対して意見を述べることができ、被告人が意見を述べた後手続が終了します（結審といいます。）。
- 検察官が、事件について意見を述べ（＝論告）、具体的にどのような刑に処するべきか意見を言う（＝求刑）。
- 弁護人が、事件について意見を言う（＝弁論）。
- 裁判官が、被告人に対し、事件について最終的な意見を聞く。
４．判決
裁判官が判決を言い渡します。
